小説

終電での限界お漏らし〜奈々子の誤算〜

ガタンゴトンー。
「…っん」

奈々子は押し寄せる尿意にそっと息を殺す。もう尿意が出口のすぐそこまで迫ってきていた。

1人の女の子が落ち着かない様子で電車に揺られている。
いったい何が起きているのか。

話はいたってシンプルだった。
今日は金曜日。
いわゆる華金というやつだ。

社会人1年目の奈々子は、明日は仕事が休みだからと調子に乗って飲みすぎたのだ。
盛り上がっている飲み会中、ふと時計を見るともう終電間近。

慌てて席を立ち、会計を済ませ、駅まで早足で歩き、友達と解散する。
そのまま急いでホームに向かい電車に飛び乗った。
当然トイレに立つ暇もなかった。

その結果がこの様子である。

ガタンゴトンー。
電車の揺れが直接膀胱をゆらしているようにさえ思ってしまう。
あと30分。

奈々子にとって30分は我慢ができるギリギリのラインだった。
奈々子はもともとトイレが遠い。小さい頃から過度の恥ずかしがりだった奈々子はついついトイレに立つタイミングを逃してしまうことが多かったのだ。
でもそんな奈々子でも、飲み会中に1度もトイレに立たずにハイボール3杯と烏龍茶1杯はさすがに膀胱に響く。
こんなことなら居酒屋でトイレに行っておけば…
後悔する奈々子だが、もはや遅い。

居酒屋のトイレは男女共用で便器がひとつしかないタイプだった。
割と大きめの居酒屋の中でたったひとつのトイレ。しかも金曜日。
常時3-4人が並んでいるような状態だった。
当然男性が前後に並ぶ可能性もある。
しかもドアを開けたらすぐに個室なため、並んでいる列はテーブルで飲んでいる人たちから丸見えだ。
あの人、数人並んでもおしっこしたいんだな…
そんなことを考える人はほとんどいないと思うが、奈々子は極度の羞恥心からそう考えてしまい、異性の前で並ぶことがどうしてもできなかった。
その結末がこの限界我慢である。

もうちょっとだよ。頑張れ…!
奈々子は既にパンパンに膨らんでいる膀胱をそっとひと撫でして心の中で語りかけた。

そこから25分。もう奈々子は限界のギリギリ。先程我慢できるかもしれないと思っていたのが嘘のようだった。
奈々子の額には油汗が浮かんでいる。
先ほどからどうしてももじもじと動いてしまう両足を止めることができない。
ただ、次は奈々子の降りる駅というところまで来ていた。
あと5分。ギリギリだがなんとか耐えられるか、耐えれないかのギリギリのライン。ただこんな公共の場でお漏らしなんてするわけにはいかない。
最後のひと頑張りとばかりに、股間に力を込める。

奈々子の車両には同じく終電で帰る人がたくさん乗っていた。
にぎやかそうな女子大生と思われるグループもいる。
奈々子の必死の我慢のうちに多くの人が乗車していたようだ。
そんなことも気づかないぐらい周りに気をくばる余裕のない奈々子。

キキッッッーーーー。
「急停車します。おつかまりください。」

機械的なアナウンスとほぼ同時に電車がぐらっと揺れる。
「こんな時に…」
奈々子は悲壮な声を上げる。
「ただいま安全確認をしております。ご乗車のお客様には…」
車内のアナウンスが聞こえる中、近くの女子大生のグループも文句を言っている。
奈々子にとっては文句も言う余裕もない。
「早く、早く、漏れちゃう漏れちゃう…。」
カタカタカタ。足が動いてしまうのをどうしても止められない。

たった5分ほどの停車だったが、奈々子からすると延々と思われるような時間だった。

「大変長らくお待たせいたしました。次はーーー。」
ようやく奈々子が降りる予定の駅名がアナウンスされる。
奈々子はホッとしたような顔で本当に最後のひと頑張りと思い、股間に力を入れなおす。

電車は減速して静かにホームに滑り込んで行った。
奈々子にとってはこの減速も辛い。一刻も早くホームに到着し、この動く密室から解放して欲しかった。

ドアが開くと同時に立ち上がろうとした奈々子。
立ち上がると同時に今まで一気に重力の力でおしっこが体の下の方に集まってくるのがわかる。
「じわり。」今まで耐えてきた純白の下着に黄色い雫が落ちる。

「ああっ」慌てて足をクロスしてそれ以上の決壊を耐える奈々子。
周りの乗客が不審そうな顔でこちらを見つめている。
ただ、奈々子の駅は先ほどの女子大生のグループを始め多くの人が降りる駅だったので、
座席にいる奈々子には、そこまで多くの注目は集まらなかった。

数秒間クロスで耐えたのち、うつむきながら早足でホームに降り立った。
「早く早く…もう出ちゃう」
慣れている駅だ。どこにトイレがあるかは熟知している。
さっきちびってしまったところが少し冷たくなっているのを感じながら、奈々子は早足でトレイの方向に足を進めた。

エスカレーターに到着する。普段はなんでもなく歩いて進むことができるのだが、
今の奈々子にはエスカレーター1段分足を上げることは危険に思えた。
はやる気持ちを抑えながら、エスカレーターに立ち足をクロスする。
早くしたいのに、急ぐと出ちゃう。
奈々子は悶々としながらも、今ここで漏らさないために必死で耐えていた。

ようやくエスカレーターの終わりが近づき、トイレが見えてくる。
奈々子は焦りつつも、最後の数段を気力で耐えながら、足を上げ駆け足でトイレに飛び込んだ。

やっとー。
女子トイレに一歩足を踏み入れた瞬間から右手で前を抑えてしまった奈々子は見たものは、
先程の電車で見かけた女子大生の集団だった。
奈々子は電車が止まるタイミングで上手く立てなかったり、エスカレーターで歩けなかったりと同じ駅で降りた人たちよりもかなり遅れをとってしまったの

この駅のトイレは小さい。個室は2つだ。
そこに6人もの女子大生が列を作っている。

ひとり出てくるのに2分かかるとして…
必死に計算を始める奈々子だが、どう考えてもあと6分近くは待てそうになかった。
しかも水を流す音や紙を取る音、そしておしっこの音などいろんな誘惑が響き渡るトイレの中で。

こんなに待てない…。
そう思った瞬間に奈々子の右手に熱いものが勢い良く降りかかる。
しゅうううううううう。
おしっこだ。
もう我慢できないと思った瞬間に決壊が始まってしまったのだ。

「あああぁぁ」
悲壮な声を上げながら必死にしゃがみ込んで耐える奈々子。
その声に女子大生グループが振り返る。
「え!?大丈夫ですか?先使いますか?」
小さな水溜りを作り始めている奈々子に慌てて声をかける。

まともに返事をすることができないまま必死にうなずく奈々子。
女の子たちに導かれて、先頭につかせてもらう奈々子。

じょわじょわ…。
もうどんなに力を入れて抑えていても奈々子のあそこはおしっこを我慢してくれなそうだった。
水滴が足を伝っていく。

「早く…!早くしてください」
奈々子が悲壮な声を上げて強くドアを叩く。
中の人が焦ったように紙を取る音が聞こえ、じゃああああーと水を流す音が聞こえてきた。

じゃぁぁぁぁぁぁぁぁ。
そこまでだった。
水の流れると音と同時に奈々子のあそこは決壊した。
すごい勢いで水溜りが広がっていく。

自分よりも年下の女子大生に見られながら、あと一歩のところで間に合わず。。
1分近く続いた奈々子のお漏らしは次第にポタポタという音に変わり、
奈々子のすすり泣きだけがトイレの中に響いていた。

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